髄膜腫は脳実質外発生の腫瘍で、原発性脳腫瘍のなかで最も頻度が高いものです(27.5%)。90.2%は良性(CNS WHO grade 1)に分類されますが、1割程度で中間型・悪性(CNS WHO grade 2,3)のものも存在します。
外科治療を考慮するにあたり、発生部位、大きさ、増大傾向かどうか、症候性(腫瘍があることで症状が出ている)かどうか、腫瘍による正常脳への影響があるか、などが重要です。小さいもの、増大傾向になく無症候性なものなどは画像検査での経過観察をお勧めします。
外科的治療では可能であれば全摘出を目指しますが、周囲の脳や血管との癒着・巻き込みがある場合には部分摘出し、手術による症状の悪化を防ぐことが重要となる場合もあります。外科的な摘出術に先立ち、栄養血管塞栓術(カテーテル治療)が施行されることもあります。
外科的治療で残存したもの、外科的治療が困難なもの、高悪性度のものに対しては放射線治療を行う場合があります。
当院では、髄膜腫と画像診断された患者様それぞれに対して、部位や大きさ、症状、経時的変化を確認し、そのタイミングで外科的治療をすべきかどうか判断しています。
安全な手術を行うために、手術支援システムとして、運動や感覚など脳機能をリアルタイムでモニタリングできる「神経モニタリング」、手術している部位がMRIなど放射線画像でどこに相当するかがリアルタイムでわかる「ナビゲーションシステム」などを併用しています。
頭痛で診断された左右にまたがる髄膜腫
手術で全摘出しました
認知症で診断された脳室内の髄膜腫
腫瘍は全摘出し認知症は改善しました